Greco BGは1979年に開催された“楽器フェア79”にて参考出品され、後に華々しくデビューしたGrecoのオリジナルギターで、80年代におこるエレキギター・ブームにおいて一時代を築いたモデルです。
参考出品からも試行錯誤がなされ、全く新しいサウンドを生み出す事に成功したこのBGは多くの日本人プロ・ギタリストは勿論、Jeff BeckやSteve Lukatherなど世界のスーパー・プレイヤーも使用しました。

初代BG-800は1980年、何人かのプロ・ギタリストが実際にコンサートなどで試作を使用し、数点の改良を経て正式発売となります。
洗練されたシンプルでスマートなデザインでありながら、大きめのボディや特徴のあるピックガード、リバース・ヘッド、など非常に目を惹くデザインが特徴です。

リバース・ヘッドが採用されたのには理由がありました。
6弦のテンション感覚を考慮した結果であり、通常の片側6連スタイルの場合は1-2弦のペグ位置によりテンションがきつくて重くなる為、ヘッドをリバースにする事によってペグ位置をずらしチョーキングし易いテンションにする為でした。

また、1弦から6弦までのテンション・バランスをフラットに整え、コード・バランスやソロ時の音の組立がスムースに行えるようにヘッドには14度の角度を付けました。

興味深いのは“ミディアム・スケール”、“ナット幅が43mm”といったプレシジョンベース並みナット幅を持たせていたネックであります。
これは当時の音楽シーンの奏法において「ガッチリとしたネックでふくよかな音色をもたせているギターが弾き易い」という選択からでした。
後にマイナー・チェンジが行われましたが、この初期のモデルが一番幅広いナット幅となります。

そして1番の特徴となるのは、その独特なピックアップ配列です。
一見すると「単にストラトキャスターのミドル・ピックアップがやや後方に移動した3シングル・ピックアップの仕様」に見てとれますが、実は「1シングル + (離れたコイルを持つ)1ハムバッカー」といった仕様になっています。
このハムバッカー、実は最初から単にコイルを切り離す事が目的ではなく、開発当初は全く違った考え方で「ブリッジ側でピッキングする際、ピックがハムバッカーに当たって弾きにくい」といったプレイヤー側の問題からコイルをバラして移動させたレイアウトだったのです。
その結果、BGが独自のサウンドを放つ決定的な特徴となったのです。

更に開発を進めるうちに、真ん中に位置するピックアップは“シングル ⇔ ハムバッカーの間をポットで任意に調節可能な仕様”になっていきました。
真ん中に位置するピックアップは単体で鳴らす事は出来ませんが、ハムバッカーのサウンドとシングルのサウンドを好みでミックス出来るといった最大の特徴を手に入れたのです。
これによりプレイヤーは“自分だけのサウンド”を作れるようになったのです。

このGrecoの“ミュージシャンの為の製品づくり”といった基本的な考え方は現在も変わっておりません。

そしてカラーは5種類でした。
発売当初はMBU - メタリックブルー- / W - ホワイト- / MR -メタリックレッド- / MH - マホガニー- の4色で全てマッチングヘッドでしたが、1981年にはB -ブラック- が追加されMH -マホガニー-のみヘッドストックがブラックに変更されナット幅も40.5mmに変更となりました。

当時のGrecoはショップ・オリジナルモデルも積極的に販売され、通常のモデルもマイナー・チェンジが行なわれるなど1983年の生産完了まで幾つかの仕様のものが発売されました。

1990年、BGが“BG-600”として復活します。
90年代には日本の音楽シーンでも新しいムーヴメントが起こり、Grecoにとってとても重要な時代となります。
そんな時代に多くのミュージシャンからの熱いリクエストに答え復活する事となったBG-600は新たな進化を遂げます。
質量が軽く、フラットな音響特性を持つバスウッド材を採用したボディは95%のダウンサイズに変更、同じくネック材もメイプルに変更されボルト・オン仕様でしっかりとセットされ激しいステージ・アクションが多くなったシーンにおいてとても有効でした。
シャープなカッティングやエフェクトを多用したアルペジオなどを多用する当時のプレイスタイルに答える材質の変更や多くのミュージシャンに好評であったピックアップ“DRY-S”の開発を行ない、ここでも“ミュージシャンの為の製品つくり”を実践しました。

時は流れ、23年の経過間に多くのミュージシャンから再生産の要望があり、遂に2013年にBGを限定生産される事となり、2つの年代で魅了したそれぞれのモデルを現代に提案しました。
もちろんGrecoの“ミュージシャンの為の製品づくり”を基本に現在の音楽シーンに合わせ新たな開発もされました。

これからもGreco、BGは常に進化する音楽シーンにおいてプレイヤーのリクエストに答え、時代に合わせた“サウンド”を提案し続けていきます。

(初代BGの協力:VINTAGE GUITARS 高野 順様)

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